電車の中で読み終えたのがこれ。
歌野晶午って、過去の作品は相性悪かったりするのですが、これは素直に楽しめました。
冒頭の性描写を含め、主人公や他登場人物の都会の街での生活っぷりとかが、読み進めやすかったのがよかったのかも知れない。
知り合いの娘の店を名古屋で探す、以前ヤクザに潜入捜査したときの事件などの小さなトリック・謎解きもありつつ、最後にはドカンと大きなトリックが。
謎解きの章に入っても、すぐには気付かず、同じ章内の文章をじっくり読み返していって、「ああ、そういうことだったのね」と非常に納得。いやあ、お見事。そりゃ、各種ベスト10にも入るわ。

実は本編読了前に、巻末の補記にあたる用語解説には目を通していたのですが、読了してから見ると、うなってしまいました。
そもそもいい文章だなあ、と思ったタイトルが、さらにひしひしと伝わってくるし。
ちょっとみずみずしさには欠ける部分がありますが、ひさびさに読んでて&読み終わって楽しかった本でした。

コメント